いとまのはなし。

「忙しない日々に少しのいとまを」大学生です。ゆっくりしてってください。Twitter@itomanomanashi

夏の「終わり」を告げる『SickSickSickSick / 佐藤千亜妃』

佐藤千亜妃が大好きだ。

 多くの人に聴いてもらいたい音楽があります。佐藤千亜妃さんのつくる音楽が大好きです。 だから、紹介します。

 

本当はあなたの方が弱いってこと

気づいているんだ

いつだって強がっている

 

あなたを苦しみから守りたい

どんな時も

 

怪獣の腕のなか

凍える心をあたためさせて

もう、傷つけるための刃など

あなたには必要ないんだよ

『怪獣の腕のなか / きのこ帝国』

 

 やさしい言葉が成立しつづけるのは、あくまでフィクションの中、小説の中や歌の中にある世界だけなのかもしれません。ですが、すくなくとも、こんな風に勇気づけてくれる音楽は現実として存在します。

 優しさを感じられればそれだけで日々を乗り越えられたりもします

 

あいつをどうやって殺してやろうか

2009年土砂降りの夜にそんなことばかり考えてた。

春と修羅 / きのこ帝国』

 

  優しい歌を歌っているかと思えば、昔の曲ですが、ひとのきれいじゃない部分も描写しています。汚い部分にもしっかり向き合う。そうすることで初めて、きれいな部分が際立つのだと思います。

 ひとの自分の汚いところに見ないふりをしていては、気づけない美しさがそこにはあります。

 

『SickSickSickSick / 佐藤千亜妃

 彼女のつくる音楽に何度慰められたことでしょう。何度勇気づけられたことでしょう。人を救う音楽があります。

 佐藤千亜紀さんが、ソロアルバムを出しました。

SickSickSickSick

SickSickSickSick

 

 

 きのこ帝国のバンドサウンドではなく、電子音を基調とした音数のすくない、ゆったりしたアルバムです。

 ダークで、でもそれでいて、胸をきゅっと締め付けるようなサウンドと歌詞。夏祭りの打ち上げ花火のあとみたいなアルバムです。

 こんなことを思うのは、先日公開された、『Summer Gate』のMVの影響かもしれませんが。

 


佐藤千亜妃 - Summer Gate

 

 夜の街を佐藤さんが走る、ただそれだけと言ってしまえばそれだけの映像ですが、夜の黒に鮮やかなネオンの光が映えて、とてもきれいな映像です。

 

 闇という空白が、今まで気づかなかった自分の気持ちを浮きだたせる。気づいた時にはもうすでに遅し。そんな自覚と喪失をこの曲に感じます。本当に大切なものは、失って初めて気づくみたいですね。

 

 答え合わせを今さらしてもしかたないし。

『Summer Gate / 佐藤千亜妃

 

 表題曲の『SickSickSickSick』はなんか、自分のことが歌われてるようで少しこそばゆい気持ちになりました。思い上がりでしょうか?笑

 

変わり者でお人好しで

優しくて傷つきやすい

人見知り激しいし

大体において謎めいている

 

きっと何かをすり減らして続けて

押し殺した言葉で君はできてる

 

時よ、止まれ

ガラスのハートの君が

泣いて笑う日々を

愛しく思うのです

『SickSickSickSick / 佐藤千亜妃

 

音楽はフィクション

 音楽はフィクションです。虚構です。実体験をもとにして書いたものであっても、必ず何らかのフィルターにかかって、現実は変容して描写されます。

 でもそれをウソの世界だと、断罪するのは、人間の可能性を放棄することに他なりません。想像力があるからこそ、人は前を向いていられる。

 そこは現実ではない。ですが、フィクションはフィクションとして存在するからこそ、人を救うのだと思います。

 

 佐藤千亜妃の描く「平成最後の夏」を一緒に感じてみませんか?